30年近く前に買ったものだ。その頃のサブカル好きの人々にとって岡崎京子は必修科目だったので私もほぼ全作品読んだ事がある。リバーズ・エッジはとある友人が「マジで自分の高校とそっくり。自分たちの話だと思った」と話していたのを聞いて、ちょっとびっくりした事を今でも覚えている。なぜかと言うと一応進学校に通っていた自分にとっては完全にリバーズ・エッジはフィクションだったからだ。学校にブランドものの化粧品を使っている子はいなかったし、ロン毛の男子もいないし、有る事無い事触れ回る噂好きの人々もいなかった。ましてやドラッグをやっている子や、身体に傷を負わせるいじめもなかった(恋愛がらみで多少の諍いはあったが、集団無視やカースト差別のようなものさえ無かった)
「本当にこういう学校・世界ってあるんだ…」と何だか感心してしまったのだ。同時にその友人の通う学校は少し偏差値が低かったので「そういう事か」と変に納得してしまった自分の卑しさも同時に強く記憶している。
物語の舞台はさておき、ハルナ・山田くん・コズエといった登場人物の生き方・心情は読む人がどこかしら感情移入や理解ができるものなので、こんなに多くの人に長い間愛される作品なんだろうと思う。人生のある時期、切実になる問題を扱った普遍的な物語なんだろうと思う。
とにかく印象深い本だ。しかし名作なあまり読もうと思えばいつでも漫画喫茶なり電子書籍で探して読めるため、手放す事にした。